相続の事例・知識

相続争い事例2:叔父の使い込み

祖父(88)が亡くなった。
父は亡くなっているので、その子(孫)が相続人になった。
祖父は叔父夫婦が同居して面倒を見ていた。
遺産相続について叔父と話し合いをしようとしたが、叔父がなかなか応じなかった。
遺産についても教えてくれなかった。
弁護士に依頼して、遺産分割調停を申し立てた。
叔父は自分で調停に出てきた。

そこで、見せてもらった祖父の預金通帳を見ると、預金として1000万円程度しか残っていなかった。
しかし、祖父は先祖から引き継いだ土地を売却したりして数億円の預金を持っていたはずだった。
銀行から、預金の取引履歴を取り寄せたところ、7年間の間に、7000万円以上の預金が払い戻されていた。
しかも、その多くは祖父が病気になって入院した後に出金されたものだった。
そのころ通帳を管理していた叔父が払い戻したことは間違いなかった。
叔父に何に使ったのかを尋ねたが、叔父ははっきりとは答えなかった。
いや、答えられなかったのだろう。
結局、調停はまとまらなかったため、孫は、叔父が払い戻したであろう預金7000万円の返還を求めて訴訟を提起した。
その訴訟で叔父が7000万円を何に使ったのか説明しなければならない。
しかし、そのすべてについて説明するのは困難であった。
ところが、叔父にはめぼしい財産が見当たらなかった。
祖父の預金口座から下ろした7000万円がどこに行ったのかは不明のまま。
叔父の預金口座に入ったわけではなかった。
結局、孫は訴訟では勝ったが、それでも叔父は払わず、いや払えなかったので、孫は何も受け取ることができなかった。